「ワークライフバランスが欲しい」

 

そう言うときのあなたは、

いったい何を求めているのか。

 

自由な時間が欲しいからって、

無職になりたいわけじゃない。

 

趣味を充実させたいからって、

ヨガを習えば満足なわけじゃない。

 

オーストラリアで働いていても、

仕事には締切や成果がつきものだし、

グローバル企業で働いていれば、

夜中のテレビ会議だってある。

 

じゃあなぜ、この国では、

ワークライフバランスが高いという

「感覚」を得ることができるのか。

 

その答えは、

【コントロール(選択・管理)】

なのだと私は思う。

 

ワークライフバランスの本質は

1日24時間の使い方を

自分で選択・管理している感覚だ。

 

 

 

夜は何時に寝て、

朝は何時に起きるのか。

 

まず家族と朝ごはんを食べるのか、

ジムや公園に行って運動するのか、

早朝のオフィスで仕事を片付けるのか。

 

上司から会議への招待が来たけど、

今日はタスクAの完了が優先なので

明日の12時からに変えてもらおう。

 

来週の出張に向けて、

週の後半は忙しくなりそうだから

前半はできるだけ先取りで仕事をしよう。

 

会議で残業になりそうだから、

昼休みを長めに取ってジムに行こう。

 

子どもの保育園が休みだから、

今日は家で仕事をしよう。

 

 

 

こういうコントロール(選択・管理)は、

”成熟した大人”なら、誰でもできる。

 

 

だとすれば、

なぜワークライフバランスの実現は難しいのか。

 

ライフワークバランスの高い会社と

低い会社を分ける【差】があるとすれば

それは、次の質問に対する回答だろう。

 

「あなたの会社は、”成熟した大人”を雇っているという自信があるか?」

 

もし答えがイエスなら、

ワークライフバランスは難しい課題じゃない。

 

社員がライフ(人生・生活)を

自分の意志でコントロールできるように

リモートワーク、フレックス、投資型年金など

制度や環境を整えればいいだけだ。

 

もし答えがノーなら、

いくら制度だけ作ってみたところで

複雑な申請や承認プロセスが絡みついて

実際には使いものにならない可能性が高い。

 

最近はやりの「健康経営」にしても、

根本にある問いは同じ。

 

”成熟した大人”である社員が

毎日を自分の意志でコントロールして

健康的な選択ができるよう支援するのか。

 

子どもに「野菜を食べなさい」と言うように

ノルマや会社の価値観を押しつけるのか。

根本的な意図で、成果は決まる。

 

 

 

「ワークライフバランスが欲しい」

 

そう口にする”成熟した大人”が

本当に求めているもの。

 

それは、

 

会社や上司から

”成熟した大人”として信頼され、

自分の生活をコントロールしながら

その期待に応えることができる。

 

そういう感覚なのだと、

私は思う。

 

どんなに偉い人にも、企業にも、

この欲求を否定する権限はない。

 

個人にとって大切なのは、

先の質問にあなたの会社がどう答えるか。

その見極めだ。